Date: 2023/06/14 | Writer: あっちゃん
痛みを抱えるみなさんは、日々の記録や日記を書いていますか?
今回は、2023年5月18日にWelby Inc.からリリースされた痛レコ日記についてご紹介します。
慢性疼痛疾患の患者さんが生活や痛みの記録・日記をつけると次のようなメリットが得られます。
日記をつけることで、痛みの発生や増減のパターンを把握することができます。これにより、どの活動や状況が痛みを引き起こすのか理解しやすくなります。
メモを取ることで、痛みが引き起こされる可能性のあるトリガー(刺激)を特定することができます。これにより、特定の活動や状況を調整することで痛みを軽減できるかもしれません。
日記をもとに医師とのコミュニケーションがスムーズになります。痛みの記録や日常生活の詳細な説明を提供することで、医師はより正確な診断や治療計画を立てることができます。
痛みや症状の変化を日記に記録することで、治療や薬物の効果を評価することができます。これにより、効果的な治療法や薬物を見つけるのに役立ちます。
痛みや日常の挑戦について感情や思考を記録することで、心理的な変化やストレスの要因を把握することができます。これにより、心理的なサポートを受ける必要性や、ストレス管理の方法を見つけることができます。
痛みや生活に関する情報を整理し、より具体的なアプローチを見つけるために役立ちます。また、医師や専門家との協力を強化し、痛みの管理や治療の質を向上させることにもつながります。
私はノートに記録しているよ!自分でテンプレートを自由に作れるから、少し手間がかかるけれど、自分記録としてノートだとしっかり続けられるかな。
iPhoneのメモ機能を使って記録している友人がいるよ〜
紙媒体に記録することで、自分の痛みや症状の変化を目で確認することができます。紙媒体は使い慣れている方にとって、手軽で使いやすいものです。特別な技術やアプリを使わずに記録できるため、スマートフォンに慣れていない方やデジタルツールへのアクセスが制限されている場合に適しています。デジタルデータと比較して、プライバシーの面でも安心感があります。特に個人的な痛みの記録や感情の記録を保護する必要がある場合には、紙の日記がより安全な選択肢となります。
手書きの感覚とリラックス効果も得られる
また、紙に手書きで記録することは、個人的で感情的なつながりを生み出すことがあります。手書きの感覚や筆記のリラックス効果によって、痛みやストレスの軽減にも寄与するかもしれません。紙の日記やメモ帳には、制限された容量やデータの削除のリスクがなく、長期間にわたって情報を保持し続けることも可能です。
スマートフォンやデジタルデバイスは、記録と管理の効率化、データの分析と可視化、そして医療チームとの連携において優れたツールとなります。ただし、個人のニーズや好みに合わせて最適な方法を選択することが重要です。プライバシーやデータセキュリティの面で注意を払いつつ、自身にとって使いやすく有益なデジタルツールを活用することが推奨されます。
個人のニーズや好みに合わせて最適な方法を選択することが重要です。紙媒体とデジタル媒体を組み合わせることも可能であり、最適な痛みの記録方法を見つけるために試してみる価値もあります。
リマインダーや通知機能:特定の時間やイベントに関連するリマインダーや通知を設定することができます。痛みの記録や薬の服用時間を忘れることなく、正確なデータを収集することができます。
データの自動保存とバックアップ機能:記録したデータが保存され、クラウドやバックアップ機能を利用して安全に保管されるとデータの紛失や破損のリスクを減らすことができます。
共有と連携ができること:記録したデータを医師や医療スタッフと簡単に共有することができることにより、診療の効率化や適切な治療計画の立案に役立つと考えています。
痛レコ日記は、患者さんが日々の痛みと睡眠状態、治療の目標を記録することで可視化し、痛みの治療をサポートする無料アプリです。2023年5月18日(木)に株式会社Welbyがリリース。現在はApple Storeのみでダウンロードが可能です。
痛レコ日記の特徴
記録出来る項目
本アプリのご利用に際し、以下をご了承の上、ダウンロードしてください。本アプリは健康関連情報の提供・利用者の意思に基づいて管理することを目的としているものであり、診療行為又はこれに準ずる行為を目的として利用することはできません。利用者はこのことを十分認識した上で自己の責任において本アプリをご利用ください。必要に応じてご自身の判断で医療機関を受診してください。医療機関を受診される際、治療方法、お薬の内容等については担当の医師によくご相談ください。
疼痛患者さんの治療継続をサポートするアプリはこれまでいくつかありました。しかしながら当事者が必要としている記録機能は満たされていないアプリや、天候と関連づけられた簡易な痛み記録アプリがほとんどだったのです。この「痛レコ日記」は日々の痛みと睡眠状態、目標を記録し、″可視化″できます。医師との診察時のコミュニケーションを助ける機能で、記録や向き合うことを継続するサポートをしてくれると感じます。このアプリは、有れば良いよね!という機能をつけてくれています。『ペインと。』運営スタッフも試みています。
住谷先生が監修者というところ
痛みの種類が細かく選択できること
痛みのパターンが豊富に用意されているところ さすが住谷先生!
痛みの記録のほか、睡眠や服薬状況も記録・確認できるところ
おくすり管理機能は便利。いつ転院したり病気を患うか分からないので、未来の自分を救ってくれると感じた。面倒でも記録したい
目標設定が決められている項目から選択する形式なところ
短期目標も上記同様
患者には認知行動療法として、簡単に記録できるような存在が必要。さらには医療者にとって、患者が記録した痛みや症状・生活の情報コンディションの可視化が病院やクリニックのPCで可能となり、月ごとの変化やメンタル面、環境変化等を読み取ることができるツールが生まれたらと考えています。患者にとっては、記録ツールであり、医師にとっては、患者がそれを継続さえできれば、治療方針や介入方法を計画しやすくなります。2020年、自身の闘病経験を通して、集学的治療が注目されていることを考慮しても、当事者や医療者どちらにとっても利点がある。そんなプロダクトを開発したいと思っていると語ってくれました。
患者目線で物事を考えると、診察時間内に何を話せばいいかわからない。話したいことはあったけれどいざ医師を目の前にすると話を切り出せない。月に1度の受診のみで生活や状況、痛みを伝えるのはハードルが高いし、到底理解してもらえると思えない。不信感や信頼できない度数が高まる。などの悩み・不満を抱えていることが多いです。
医師目線では、患者の暮らしや痛みの個人的な対応状況が見えないので、調子はどうですか?と聞いても、「痛いです」しか返ってこない。患者から状況や心理状態を聞き出すための質問の仕方が分からない。短い時間で患者を知るのは無理がある。患者が求めていることを実現できない。などの悩みや課題を感じていました。互いに見えないことはストレスに繋がります。痛み医療は、患者と医師という立場で分けてどちらかが尽力しても、中々治療成果が出ないことが多いです。齊藤は、関わるメンバーが協力して治療体制をつくれる「手助けとなるツール」の開発を目指していると熱く話してくれましたよ。
目指すところや、アプリをさらに良いものにしたいという思いが同じであれば、ぜひ共創しませんか?ということで、引き続き『ペインと。』では疼痛医療に関わる人やプロジェクトを巻き込んでいきたいと考えています。下記は2021年の段階で代表がリサーチや計画を立てた資料になります。関心のある方はご覧ください。
あなたはどのように自分の記録をつけていますか?気軽に教えてくれるとボクにも「ペインと。」にも、そして多くの闘病者の参考になるな〜♫
今後、『ペインと。』に当事者や痛みの情報を必要とする企業様はメールにてお問い合わせください。
contact@pain-to.com
株式会社Welby(ウェルビー)は2011年の創立以来、医療分野におけるPHR(Personal Health Record)サービスのリーディングカンパニーとして成長を続け、2019年3月29日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。アプリ、webサービス、データマネジメントを通じて、患者さんが最適な医療を得るための手助けとなる、デジタルヘルスソリューションを創造し続けています。
参考・引用: Apple Store https://apps.apple.com/jp/app/%E7%97%9B%E3%83%AC%E3%82%B3%E6%97%A5%E8%A8%98/id1669415016 株式会社Welby https://welby.jp/service/ 疼痛医療コミニュケーション支援計画書(所有者 Sakura Saito)
宮崎県在住。誰かや何かのサポートが得意で、日々のコミニュケーションを大切に活動している。2008年の怪我をきっかけに左下肢にCRPS発症。その後SCS(脊髄刺激装置)埋め込みを行う。2020年に再びSCSの埋め替えをする為、背骨を削った際に背中に疼痛が残る。それ以降、座位保持が厳しくなり殆どの時間をベッド上で過ごしている。これまで様々な病気も経験してきた。自分たちの経験も含め当事者の声、当事者を支えている方の生の声を伝えていきたい。